A. 各オプション・ストラテジーにおける最大利益・最大損失・損益分岐点をご説明します。
・カバード・コール 保有中の株式に対してコール・オプションを売却するストラテジーです。株価が横ばい~やや上昇を見込む時に、オプションを売ることから生じるプレミアム収入を得る目的で使われます。
最大利益:権利行使価格までの値上がり+受取プレミアム 最大損失:株価がゼロになった場合の損失-受取プレミアム 損益分岐点:株式買付価格-受取プレミアム
・ストラドル 同じ権利行使価格かつ同じ満期日でコールとプットを同時に買付するストラテジーです。株価がどちらに動くか分からないものの、大きな価格変動が予想される時に利用されます。
最大利益:理論上無制限 最大損失:買付時に支払ったプレミアムの合計 損益分岐点:株価上昇側、株価下落側それぞれに損益分岐点があります。 株価上昇側=権利行使価格+合計支払いプレミアム 株価下落側=権利行使価格-合計支払いプレミアム ※現時点では、当社でショート・ストラドルを注文いただくことができないため、ロング・ストラドルの例のみ記載しております。
・ストラングル ストラドルと似ていますが、コールとプットで異なる権利行使価格にて買付けます。ストラドルに比べて新規建ての費用は抑えられますが、利益を得るにはより大きな株価の値動きが必要です。
最大利益:理論上無制限 最大損失:買付時に支払ったプレミアムの合計 損益分岐点:株価上昇側、株価下落側それぞれに損益分岐点があります。 株価上昇側=コール権利行使価格+合計支払いプレミアム 株価下落側=プット権利行使価格-合計支払いプレミアム ※現時点ではショート・ストラングルをご注文いただくことができないため、ロング・ストラングルの例のみ記載しております。
・カラー 現物株を保有しつつ、保険としてプットを買付けし、同時にコールを売却するストラテジーです。保有する株式の株価下落による損失を限定できますが、株価上昇による利益も限定されます。
最大利益:株価がコール売りの権利行使価格に制限されます。この株価を超えると利益は一定になります。 最大損失:株価がプット売りの権利行使価格に制限されます。この株価を下回っても損失は一定となります。 損益分岐点:現物株の買付価格と各オプションのプレミアムによって算出されます。 (株式の買付価格+支払いプレミアム-受取りプレミアム)
・バーティカル・スプレッド(ブル・スプレッド) 同じ満期日かつ同じタイプ(コールもしくはプット)で、低い権利行使価格の買付と、高い権利行使価格の売却を組み合わせます。株価が上昇すると予想するストラテジーです。このストラテジーは株価下落時の損失を限定しつつ、株価上昇時に利益を得ることを目的としています。
最大利益: コールの場合:(売り建玉の権利行使価格-買い建玉の権利行使価格)-合計支払いプレミアム プットの場合:受取りプレミアム 最大損失: コールの場合:合計支払いプレミアム プットの場合:(売り建玉の権利行使価格-買い建玉の権利行使価格)+合計受取りプレミアム 損益分岐点: コールの場合:買い建玉の権利行使価格+合計支払いプレミアム プットの場合:売り建玉の権利行使価格-合計受取りプレミアム
・バーティカル・スプレッド(ベア・スプレッド) 同じ満期日かつ同じタイプ(コールもしくはプット)で、低い権利行使価格の売却と、高い権利行使価格の買付を組み合わせます。株価が下落すると予想するストラテジーです。このストラテジーは株価上昇時の損失を限定しつつ、株価下落時に利益を得ることを目的としています。
最大利益: コールの場合:合計受取りプレミアム プットの場合:(買い建玉の権利行使価格-売り建玉の権利行使価格)-合計支払いプレミアム 最大損失: コールの場合:(買い建玉の権利行使価格-売り建玉の権利行使価格)-合計受取りプレミアム プットの場合:合計支払いプレミアム 損益分岐点: コールの場合:売り建玉の権利行使価格+合計受取りプレミアム プットの場合:買い建玉の権利行使価格-合計支払いプレミアム
・バタフライ 同じ満期日に権利行使価格が異なるオプションを組み合わせて取引する戦略です。ひとつの取引についてすべてコールオプションのみ、またはプットオプションのみで組成します。 具体的には、低い権利行使価格のオプションを1枚買付、中間の権利行使価格のオプションを2枚売却、高い権利行使価格のオプションを1枚買付します。
最大利益:(中間の権利行使価格-低い権利行使価格)-合計支払いプレミアム 最大損失:合計支払いプレミアム 損益分岐点:株価上昇側と株価下落側それぞれに損益分岐点があります。 株価下落側:低い権利行使価格+合計支払いプレミアム 株価上昇側:高い権利行使価格-合計支払いプレミアム
・アイアン・バタフライ 同じ満期日に権利行使価格が異なるオプションを組み合わせて取引する戦略です。ひとつの取引について2つのコールオプションと2つのプットオプションで組成します。低い権利行使価格でプット売り、中間の権利行使価格でプット買い・コール買い、高い権利行使価格でコール売りとなります。ボラティリティが大きい局面で、株価が大きく動くと予想される場合に利益を狙うストラテジーです。
最大利益:合計受取りプレミアム 最大損失:(中間の権利行使価格-低い権利行使価格)-合計受取りプレミアム 損益分岐点 株価下落側:買い建玉の権利行使価格-合計受取りプレミアム 株価上昇側:買い建玉の権利行使価格+合計受取りプレミアム
・コンドル 同じ満期日で、4つの異なる権利行使価格のコールオプションのみ、またはプットオプションのみで組成します。最も低い権利行使価格の買付、中間の権利行使価格の2つを売却、最も高い権利行使価格の買付をします。ボラティリティが小さい局面で、株価が狭い範囲で動くと予想される場合に利益を狙うストラテジーです。
最大利益:(二番目に低い権利行使価格-最も低い権利行使価格)-合計支払いプレミアム 最大損失:合計支払いプレミアム 損益分岐点:株価上昇側と株価下落側それぞれに損益分岐点があります。 株価下落側:最も低い買い建玉の権利行使価格+合計支払いプレミアム 株価上昇側:最も高い買い建玉の権利行使価格-合計支払いプレミアム
・アイアンコンドル アイアンコンドルは、コンドルスプレッドの一種であり、4つのオプション(2つのコールと2つのプット)を使用します。ボラティリティが大きい局面で、株価が大きく動くと予想される場合に利益を狙うストラテジーです。
最大利益:合計受取りプレミアム 最大損失:(二番目に低い権利行使価格-最も低い権利行使価格)-合計受取りプレミアム 損益分岐点: 株価下落側:プット売り建玉の権利行使価格-合計受取りプレミアム 株価上昇側:コール売り建玉の権利行使価格+合計受取りプレミアム
オプション取引においてポジションを建てる上では、契約締結前交付書面をよく読み、損失の生じるリスクを十分に理解してお客様ご自身の判断と責任で注文をしてください。 |